外国籍児童生徒の支援

副住職の他にブラジル人学校で日本語講師をさせていただいていることは前回紹介した通りである。その他にも、実は牧之原市の公立小中学校に通う外国人児童生徒の支援の為に週2日通っている。昨年度までは小学校中学校ともに巡回していたが、今年度からは中学校のみを巡回している。

 

牧之原市は近くに工場もたくさんあることなどから、比較的外国人が多く住んでいる。家ではポルトガル語、学校では日本語と、流暢に2つの言葉を話すので一見するとバイリンガルでうらやましいと思われがちだが、しかしそこには決定的な落とし穴があって、どちらの言語も中途半端のまま大人になってしまうケースが多々あるのである。もちろん全ての児童生徒がその落とし穴にはまってしまうのではないが、現実的にはそういうケースは多い。つまり日本語も小学校低学年程度の漢字しか書けず、ポルトガル語も読み書きができないといった場合や、日常会話以外の学習によって身に着く言語(各教科に出てくる言葉やニュース等の言葉など)が決定的に不足しているために、日常会話はペラペラでも授業や少し専門的な話(政治・経済等)になるとについていけないといった場合もある。

 

週2回(しかし2校行っているので実質週1回)私が行くだけで、この問題が解決するわけではないしそれは無理な話だが、抱え込んでしまっているものを少しでもはき出してもらったり、学校生活をスムーズにおくれるように、また少しでも子供たちに学習に意欲を持ってもらえるように、微力ながらお手伝いしているのである。しかしこれらは本当に難しい問題で、私も6年目になるがまだまだ試行錯誤の状態である、というよりも子供は一人ひとり状況が違うので、その都度新しい問題と向き合うと言った方が正確だろう。

 

本願寺基幹運動のスローガンは「ともにいのちかがやく世界へ」である。子供たち一人一人が輝いて生きていけるような社会を目指していきたい。きれい事に聞こえるかもしれないが、それでもやはり生で子供たちと接し、喜怒哀楽をともに感じながら少しずつ一歩一歩進んでいくしかないのだと思う。。。