正確な情報

20日に教覚寺の彼岸会法要ならびに祖父の25回忌がつとまり、21日の春分の日には、群馬県高崎市にある覚法寺様へ出かけ、法話をさせていただいた。 初めてのご縁のお寺様であったが、緊張してしまい話がどんどん速くなってなってしまい、予定時間よりも早く終わってしまった。本当に私自身の経験不足を痛感させられたと同時に、ただただ恥ずかしく申し訳ない気持ちになった。

 

昨日22日はブラジル人学校の勤務日。学校へ行くとびっくり。すでに14人の生徒が退学し、教員も1人はすでに退職し、もう1人も近々退職とのこと。先週の勤務時には全校生徒58人だったのが、昨日には44人に、さらに教員も7人だったのが、一気に5人になってしまう(非常勤は除く)。生徒も教員も2割以上が一週間の間に辞めるとは異常事態である。もちろんその理由はこの度の大震災、並びに放射線の恐怖である。ブラジル国内では、特に放射線の問題についてかなり誇張されて報道されているようである。またインターネットなどでも、デマが飛び交っているようだ。日本は今放射線の影響で出入国ができないとか、日本の全ての農産物が食べられないとか、云々。勿論みんながこれらを鵜呑みにしているとは考えにくいが、ブラジル国内のほうがむしろパニック状態に陥っていて、おそらくブラジルにいる家族や親族が帰国しなさいとかなり働きかけているのではないか。そしてもともといつかはブラジルに帰ろうと思っていたものの、なかなか決心がつかないでいた人たちが、これを機に一気に帰国を決断し、帰国ラッシュになったと私は想像している。実際私もかなりの数のブラジル人友達から、早く日本を出てブラジルへ避難して来いと言われている。

 

そして実は明日、私がブラジルに留学していた町の友人が静岡に遊びに来ることになっていた。彼は私がいたJuiz de Foraという町出身で、留学時代はよく遊んだが、今は反対に彼が日本へ留学しに来ているのだ。千葉県の寮で生活をし、神田外語大で勉強している。すると彼からメールがあり、明日来れなくなったとのこと。なんと同じ寮で生活していた留学生のほとんどがすでに帰国をし、残った彼とインドネシア人留学生、そして管理人の3人で、大阪へ逃げているらしい。そして今後のことで色々確かめなければならないことが山積みということで、今回の来静は見送ることになったのだ。正直びっくりした。

 

私も日本の報道を見たり読んだりでしか情報がないので、どれが正しいのかよくわからないと言えばそれまでになってしまうが、しかし落ち着いて行動することはとても大切なことだと思う。もちろん実際に被災された方々に落ち着いてなどとはとても言えないが、少なくとも私たち被災しなかった者は、冷静に状況を見きわめていくことを求められていると思う。そしてやはり正確な情報をつかむことの大切さもあらためて感じている。