『唯信鈔』

先週の金曜日は、お聖教を読む会でした。

 

今年度から教覚寺に伝わる『唯信鈔文意』を読んでいくこととなりましたが、今回はその第1回ということで、このお書物のもととなっている聖覚法印という親鸞聖人の兄弟子が書かれた『唯信鈔』を紹介し、残りの時間で少し『唯信鈔文意』の本文に入りました。

 

聖覚法印というお方は説法の巧者と伝えられ、法然聖人からもあつく信任されていた方です。親鸞聖人もこの聖覚法印が書かれた『唯信鈔』を御同行に積極的に勧めていらっしゃったようです。なんとこの『唯信鈔』には静岡県静岡市が出てくるんですよ。「法蔵菩薩が建立されたお浄土の素晴らしさは、柳の枝に桜の花を咲かせ、伊勢の二見ヶ浦に駿河の清見が関を並べたようなものです。」という感じです。清見が関とは、現在の静岡市清水区の興津で、北に富士山、南に駿河湾および三保の松原を望むことができる名勝です。お浄土のたとえで出てきますからびっくりするのですが、当時は一生に一度でも見てみたいというような絶景だったのでしょう。聖覚法印は説法の巧者といわれるように、このお書物でもたくさんの例え話が出てくるのですが、非常にわかりやすいたとえで、お念仏のみ教えを説いて下さっています。

 

いよいよ次回から『唯信鈔文意』を本格的に読んでいきます。興味のある方は、来月のお聖教を読む会へ是非お越しください。